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貸主が求める条件

貸主が嫌う要素

まとめ

不動産未経験の方が賃貸仲介業を始めて最初に悩む事の一つに入居審査があると思います。

入居審査では貸主は何を重視して審査しているのでしょうか。

ここでは賃貸物件の入居審査にパスする方法について考えてみます。

不動産賃貸物件に入居する際は、物件所有者の承諾が必要となります。

法治国家の日本ですから、民法の原則に基づき契約者双方の合意が必要であることは当然で貸主と借主の双方が合意する条件に同意しなければ契約は成立しません。

その為、貸主と借主は同等の立場で契約するというのが建前です。

しかし、現実は不動産契約の目的物は全て世の中に1つしかない一点ものです。

同じマンションの同じ階にある物件で同じ賃料、同じレイアウト等々何から何まで同じでも窓から見る外の景色が違ったりと全く同じものは存在しません。

私が以前参加した不動産開業セミナーでも費用などほぼ全ての条件が同じでもお客様によって求めるお客様の希望条件が異なるこのような話しがありました。

9階建の新築マンションの賃貸案件で、景色の良い最上階をご案内したお客様がレイアウトや条件は全て気に入ったが最上階が嫌だとおっしゃるそうです。

一般的には物件の最上階は窓から見える景色が一番良く人気の物件となります。

しかし、このお客様にとって最上階はマイナス要因であったそうで理由は外観から見える他の住宅に住む人たちを見下ろしている感じがするからだそうです。

結局その方はほぼ同額の8階の同じレイアウトの物件を契約されたそうです。

ちなみに、9階も8階も窓から見る景色はほとんど変わらなかったそうです。

つまり、物件は条件がそれぞれほとんど同じでも借主が重要視するポイントは千差万別で逆に言えばその条件を満たしているのが貸主の物件である場合、一度借主が欲しいと思えばそれを貸せる人は世界で貸主ただ一人となります。

つまり、かなり強い立場になれます。

そんな強い立場の貸主は一旦入居申込があれば自分の裁量で入居してもよいか、自分の考えで判断する権利を得ることになりますが、その際借主に求める条件は一般的に下記の通りです。

貸主が求める条件

1.定期的な収入がある事

賃貸契約終了まで賃料を滞りなく支払ってくれる事が貸主にしてはとても重要なので借主の勤務先や年収はとても重要な要素となります。

2.保証人の有無とその方の経済状況がしっかりしている事

賃貸契約開始から終了までには色々なトラブルが発生する可能性があります。

賃料の未払いはもとより、契約終了時に原状復帰代を払ってくれない場合や、契約途中で怪我や病気で支払能力がなくなったり、1名暮らしの方で室内で人知れず亡くなった場合はご親族などがその後の手続を行ってくれなければ大家さんが全てを取り仕切る必要があり、そういった時に保証人に対応をお願い出来るように、貸主にとって保証人はとても大切です。

3.素行に問題がない人物である事

入居後はご近所の方やマンションであれば同じ施設を利用するコミュニティの一員となる為、騒音を出したり、ゴミ出しがきちんとできなかったり、独特のにおいを発したり等々問題をおこす可能性がある方かどうかは判断要素となります。

4.賃貸物件の価値を下げる可能性がある人でない事

賃貸物件も物ですから、時間の経過とともに劣化し資産価値を下げていきます。

わかりやすい例が畳です。

畳は太陽の光などで変色し、通常の使用方法でも新品のものと数年間使用したものとでは色などが大きく異なります。

しかし、賃貸物件の場合は上記のような常識的な資産価値を下げる要因以外にも価値が下がる可能性がある原因があり、そのリスクを貸主はきらいます。

よくある例がタバコの喫煙の有無です。一度タバコを喫煙する方が入居されるとどのような内装工事をしても匂いが取れない場合があります。

そうなると、その方が退室後はタバコのにおいが気にならない方しか入居してくださらなくなり、賃貸物件としての資産価値は大きく下がります。

5.貸主独自の基準に合致する事

例えば、大学近くのマンションやアパートでその大学の学生さんを支援してあげたいとの思いからその大学の学生の入居を希望し、その場合は賃料を安くしてあげるような大家さんもいらっしゃいます。

大家さんによってその方独自の基準がある場合もあるわけです。

貸主が嫌う要素

ペット同伴

猫などは爪をとぐ為に柱などが削られる場合があったり、排泄物のトラブルや、夜中の騒音などなどペットならではの問題があります

高齢者の入居

この件に関しては、私が不動産業界に入った時にとてもひどい話だと思いましたが、ご高齢者でお一人のご入居の場合、不幸な事にお亡くなりになった時ご親族がお引き取りいただけないと不動産オーナーがお葬式などを手配しなければならない事になる為、所有者は高齢者の入居に否定的です。

又、お亡くなりになった場合、その後ご入居される方が前の借主がその部屋で亡くなった事などを知ると入居してくださらない場合もあるようです。

上記のような理由からなかなか入居許可がでない事はよく聞きます。

外国人の入居

外国人の方の場合、日本の日常生活の常識をご存じない方がいらして入居許可が出ない場合が多々あります。

騒音やごみ出しルールをきちんと守れるか、オーナーからちょっとした連絡や注意をした時に意思疎通が出来るのか(日本語が通じるか?)など不安になる物件オーナーが多く通常の物件の場合、入居許可が出ない事が多いです。

まとめ

それでは賃貸物件の入居審査にパスするには何か必要でしょうか?

あくまでも入居希望の借主を入居審査に通す為に客付業者が必要と考える重要要素ではありますが、以下がポイントとなります。

賃貸物件の入居審査にパスする条件


1.定期的な安定収入がある事
2.保証人の有無とその方の経済状況がしっかりしている事
3.素行に問題がない人物である事
4.賃貸物件の価値を下げる可能性がある人でない事
5.貸主独自の基準に合致する事

入居審査の際、賃借人から賃貸人に提出する書類に上記5つの要素を上手にアピールしつつ、借主にマイナス要素があれば、それが問題にならない事を出来るだけ書面などで説明すれば入居許可はスムーズにおりるでしょう。